ソシャゲのデータ復旧でユーザーに事前に設定してもらうために必要なこととは

カスタマーサポートに多く寄せられる問い合わせの一つとして、「データ復旧」に関するものが挙げられます。

データを消失するユーザーは非常に多く、ビッグタイトルのアプリになればなるほど、1日に寄せられるお問い合わせの多くがデータ復旧に関するものというのはよくある話です。

ユーザー自身がデータ復旧設定を事前に行っていてくれたら、お問い合わせ数の減少に繋がる事はまず間違いありませんが、なかなかそうはいかないのが難しいところです。

ソシャゲのユーザーデータが消失してしまったら

スマホの機種変更や故障のタイミングなどで、実際に長くやりこんだゲームデータが消えてしまったらものすごく焦りますよね。

ログイン情報を登録していない場合や、ログインするためのユーザー情報自体を忘れてしまったりすると、ゲームに復帰することができなくなってしまいます。

そういった場合にカスタマーサポート側の目線として準備しておくとよい情報、また早く復帰させるための注意点などについて解説したいと思います。

ユーザーデータを復旧させるため必要な情報とは

[aside]お問い合わせをする前にユーザー側で準備しておくと良い情報

  • ユーザー名やユーザーID
  • ゲーム内で分かる範囲の情報(Lvや使用キャラ・デッキ、ギルド名など)
  • 課金を過去にしている場合はレシートのスクショなど
    (GooglePlayはGPA.XXXXXXXXXXといった注文番号などわかると良い)

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これらゲーム内での情報については予めわかる範囲で良いので準備をしておくと、お問い合わせ後の流れがスムーズに進むのではないかと思います。

ただし、他のユーザーからも調べればわかる程度の情報であれば、なりすましのリスクもあるため簡単にはデータ復旧をすることができない可能性もあります。

その点で言えば過去の課金履歴などは機密性の高い情報となりますので、もし準備することができればデータ復旧させるための情報として大事な要素となります。

ユーザーデータを早く復旧させるための注意点

ユーザーデータが消失してしまうと焦って何度もお問い合わせをしてしまう方がいますが、その分お問い合わせの件数が増えてしまいますのであまりおすすめできません。

また複数のメールアドレスで同時に何度もお問い合わせをしてしまうと、整合性を確認するための時間が余計にかかってしまったり、なりすましによるお問合せの可能性も疑われてしまうことになりかねないので、基本的には1つのメールアドレスからお問い合わせを行うようにしましょう。

ユーザーが事前にデータ復旧設定を行わない理由とは?


データ復旧設定を行っておくとユーザー側にとってもお問い合わせをする手間、返答を待つ時間を省けるので、事前の復旧設定を行うことは両者にとってメリットしかありませんよね。

では何故、ユーザーはデータ復旧設定を行ってくれないのでしょうか?

設定するのが面倒くさいから

シンプルに面倒くさいというのが、復旧設定を事前に行わない理由の第1位と言っても過言ではありません。実際にデータが消失してしまうという事態に陥らなければ、危機感が感じられず、後回しにしてしまいがちです。

また、データ復旧設定というのは機種変更を行う際に必要になるもの、という認識を持つユーザーが多くいます。現状機種変更を行う予定がないので、今は特に必要ないと感じ、復旧設定を先延ばしにしてしまいます。

セキュリティ面に不安を感じているから

後述する「アカウント登録タイプ」の復旧設定は、昨今の個人情報漏洩問題を意識してか、一部のユーザーは登録を渋るケースがあります。アカウント登録タイプの復旧設定にはメリットも存在するのですが、どうしても個人情報を登録したくないというユーザーがいることも事実です。

これまで登録に関するお問い合わせの一例として、「個人情報が流出してしまうことはないのか?」「迷惑メールが増えたりしないか?」といった内容が着信することもありました。

大体ユーザーがデータ復旧設定を行わないおおよその理由は、上記の「設定が面倒くさい」「セキュリティ」の2点でしょう。

ユーザーに事前設定を行ってもらうためには、ユーザーが復旧設定のどこをネックに感じているのかを考える必要があります。

データ復旧設定の種類とメリット・デメリット

各アプリに用意されているデータ復旧設定は、大まかに「アカウント登録・SNS連携タイプ」「引き継ぎコード発行タイプ」の2種類が存在します。

アカウント登録タイプは、ユーザーが自身のメールアドレス等を使用して、パスワードを決め、アカウントの登録を行います。SNS連携もアカウント登録と分類的にはほぼ同様です。

引き継ぎコード発行タイプは、アプリ内で引き継ぎコードを発行し、自身で管理するというもの。

では、それぞれにどのようなメリット・デメリットが存在するのか見てみましょう。

アカウント登録・SNS連携タイプ

メリット
・自分が日常的に使用しているメールアドレスやSNSアカウントで登録できるため、忘れてしまうことが少ない
・パスワードを忘れてしまっても、自分で再設定できることが多い

デメリット
・メールアドレス等の個人情報を登録しなければならない
・外部サイトのアカウントを所持していない場合新規登録が必要になり、ほとんどがアプリ内で完結しないため、やや手間がかかる

引き継ぎコード発行タイプ

メリット
・自身のメールアドレスを登録する必要がない
・引き継ぎコード発行画面をスクリーンショットしておけば、容易に保管できる
・ほとんどの場合アプリ内で完結するため、手間が少ない

デメリット
・引き継ぎコードとあわせてユーザーIDが必要になる事もあるため、どちらも控えておかなければならない
・ほとんどが一度きりの使い捨てになるため、復旧後は再発行しておかなければならない
・アプリによっては引き継ぎコードに有効期限が設定されている

最近はユーザーが好みで選択できるよう、アカウント登録タイプ、引き継ぎコード発行タイプの両方を備えている親切なアプリもありますね。

運営側がデータ復旧対応を行う場合のリスク

どうしてもユーザー側でデータの復旧が出来ない場合、多くは運営側でデータ復旧対応を施すことになります。ここで気をつけなければならないのが復旧対応完了後のユーザーへのご案内です。

一般的なデータ復旧対応としては、本人確認に必要な項目をヒアリングし、本人確認が完了した段階で引き継ぎコード、ないしは、仮パスワードを発行してユーザーへのご案内を行うことになりますが、実際に発生してしまうヒューマンエラーの中に、「誤った引き継ぎコードを案内してしまう」というものがあります。

「誤った引き継ぎコード」というものの、単にどのアカウントとも紐づいていないコードであればさして大きな問題にはなりませんが、一番怖いのはそれが「第三者の引き継ぎコード」だった場合です。

案内を受けたユーザーも「今まで使用していたアカウントとは全く異なるアカウント」への引き継ぎが完了してしまいますし、該当アカウントを使用していたユーザーは何もしていないのに別の端末に引き継がれた状態になってしまい、アプリをプレイすることができなくなってしまうといった最悪の事態に陥るのです。

もちろん、このミスは絶対に発生してはならないミスであり、対応者が十二分に注意する必要があるのですが、人間が対応にあたる以上、こういったヒューマンエラーが絶対に発生しないとは言い切れないのが実情です。

事前にデータ復旧設定を行ってもらうための対策とは?


データ復旧依頼を寄せられた場合、本人確認に必要となる情報が揃うまでユーザーとのやり取りが必要になります。基本的にカスタマーサポートはお問い合わせ日時順に対応を行うため、不具合が発生してしまってお問い合わせが増加している時には、どうしても対応が遅れてしまうものです。

しかしながら、ユーザー側ではどの程度お問い合わせがあるのか、また、対応までにどのくらいの時間を要するのかが不明瞭なため、「本当に対応してもらえるのか?」といった不安を抱えてしまい、何度も催促のお問い合わせが届くというのも珍しい話ではありません。

ですが、これらは事前に復旧設定を行ってもらえるように対策を練ることで回避できる問題なのです。では具体的にその「対策」とは何なのでしょうか?

データ復旧設定をミッション化し、報酬を設ける

特にガチャに必要とされるアイテムを報酬として設けることで、事前の復旧設定を行ってくれるユーザーは一気に増えます。

最近はこの手のミッションを設けるアプリも数多くありますが、より多くのユーザーに復旧設定を行ってもらうためにはミッションの期間を無期限化するのではなく、例えばチュートリアル完了後から7日間以内など、有効期限を設定しておくと良いでしょう。

データ復旧対応に要する時間を明確に提示する

極端な例ですが、ユーザーが頻繁に目にする場所に以下のような記載を行っておくとします。

機種変更を行う際だけでなく、端末故障等の不慮の事態に備え、
運営ではお客様ご自身による事前の復旧設定をお願いしております。万が一、復旧設定を事前に行われていない場合、お問い合わせフォームよりご連絡いただくことで復旧対応を行わせていただく場合もございますが、復旧対応にはご本人様確認が必要となります。

第三者からのなりすまし等による不正が発生しないよう、ご本人様確認は慎重な対応が必要とされますため、対応完了までに最低2週間程のお時間をいただいております。

また、ご本人様確認に必要な情報の事前公開は行っておらず、確認がとれない場合は復旧対応は出来かねますことをあらかじめご留意くださいますようお願いいたします。

実際に本人確認に必要な情報が揃った場合、2週間の時間がかかることは稀ですが、これを事前告知しておくことで「2週間もかかるなら…」と事前設定に踏み切るユーザーも少なからずいます。

データ復旧設定を行わないと先に進めないようにする

アカウント登録・SNS連携タイプのものであれば、クレームに発生する可能性もある諸刃の剣ですが、引き継ぎコード発行タイプであればそう手間でもないはずです。復旧設定を避けて通れない仕様にしてしまえば、事前設定漏れが確実に防げます。ただ、どのような仕様とするかは十分に協議する必要があります。

ほんの一例ですが、3つ程対策を書き出してみました。過去のカスタマーサポート経験から、データ復旧に関する問い合わせ数は、やり方次第で十分に削減できるものだと感じます。

データ復旧のお問い合わせ数削減はユーザーのためにもなる!

冒頭にも記載した通り、事前のデータ復旧設定を行っておけば、ユーザーが復旧したいタイミングでの即時復旧が可能となり、ユーザーの時間や手間を省く事ができます。日頃からアプリを楽しんでいるユーザーにとって、不足の事態により一時的にアプリが利用できなくなるというのは、なかなかにストレスを感じてしまうのです。

データ復旧に時間がかかればかかるほど、アプリに対する熱もやがては冷めてしまいます。運営側としてもユーザーにはアプリをストレスフリーに、また、長く楽しんでもらいたいもの。

そのためには、ユーザーが復旧設定を面倒だと感じない方法、かつ、復旧設定のメリットを感じてもらえるような対策を練ってみましょう。